馬耳東風のキャトルドッグ

バジルというオーストリアンキャトルドッグの男の子が、幾多の困難を乗り越えて名犬になるまでの記録です。ちなみに、困難は彼自ら作り出し、名犬は迷犬になる可能性大です。

バジル、先を読む

ある朝。

私は滝のように流れる汗を拭いつつ、お弁当を作り、なかなか起きない娘を罵っておりました。

バジルはこの日、レンジの下に陣取り、このうえもなくかわいらしいお顔で私に微笑みかけていました。本当はキッチンはお出入り禁止なのですが、かわいさに免じてお目こぼしです!


「ママ、ごくろうさま」


私はバタバタの朝を彼によって癒されていました…!

はじめての体験です。


厚焼き玉子を作りまな板で4等分して1切れつめる。

お弁当を詰め終わった頃、娘もようやくのそのそと部屋から出てきました。


小一時間も我慢していたトイレにやっといける。


「ママ、ボクここでみはってるからね!」


その間、1分にも満たなかった。

はい、ご想像通り、熱々の厚焼き玉子をひとのみ!


「キッチンの柵の外にいるし!食べてないし!」


バジルと付き合って長いけど、どうしても信じられず、眠くて不機嫌な娘に

「卵焼き、食べた?」

と聞く。

「は?!」

と一言で返され、淡い期待だと悟る。


そのあとは娘を送っていくとわかっているのに玄関が開いた瞬間、外に滑り出て座り込みだ😨


「ボク、お散歩に行くの❗」


焦っている私、満を持して動くバジル。

完敗を痛感する朝でした。